5 第八・九・十章
 歎異抄の世界 (伊東慧明著)

   
  目  次  
 1 序・第一章  
 2 第二章  
 3 第三・四・五章  
 4 第六・七章  
 5 第八・九・十章  
 まえがき  
  一 第八章  
  二 第九章の一  
  三 第九章の二   
  四 第十章  
  補 説  
  あとがき  
  謝  辞  
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あ と が き


 かつて『歎異抄の世界』第一巻の「まえがき」で、わたしは、この書物を刊行する動機について、次のように書きました。
 「この会の記録は、わたしたち個人のものではなく、みなが共同しておこなった事行の軌跡である。――これは、<わたくし>のものではない。――わたしたちにとっては、かけがえのない<われわれ>の求道のあしあとである」と。そしてまた「これをとおして、全国各地の、未知のみなさんと友だちになることができるならば、わたしたちは、まことに幸せです」と。
 その期待に背かず、われわれは、歎異抄を已に読んでいる人びと、今読みはじめた人びと、これから読もうとする人びとと、近づきになることができました。そうして、(われわれ)の世界は、この肉眼で見ることのできる世界をこえて、さらにさらに広く大きいものである、ということを教えられたのであります。
 『阿弥陀経』の六方段を読みますと、東西南北上下の世界に、それぞれ無数の仏たちがおられて、みな念仏しておられる、とありますが、親鸞は、その著『愚禿鈔』のなかで、「この一段には、次の四事が設かれている」と述べております。すなわち、一には、信を勧めること、(勧信)、二には、真実を証明すること(証成)、三には、愛念し守護すること(護念)、四には、ほめたたえること<讃歎>であります。これは、アミダを信じよと勧め、アミダは真実であると証明し、アミダを信ずる人びとを護念し、アミダはすぐれているとたたえるものでありますが、ここに説かれているのは、この人生を離れてある特殊な世界のことではありますまい。
 この『歎異抄の世界』をとおして知り合った人びとの名前を、一一列挙することはできませぬから、ここには割愛いたします。ただ、特に記して感謝申上げたいと思いますのは、この書物の中で、名前をあげて引用させていただいた先生方の諸説のほかに、特にペンをとって、激励してくださった、金子大栄(大谷大学名誉教授)、本多顕彰(法政大学名誉教授)、西谷啓治(京都大学名誉教授・大谷大学教授)、丹羽文雄(作家)、岩倉政治(作家)、仁戸田六三郎(早稲由大学教授)、笠原一男(東京大学教授)、森龍吉(龍谷火学教授)、梅原猛(立命館大学教授)、野間宏(作家)、佐古純一郎(文芸評論家)、真継伸彦(作家)、広瀬杲(大谷大学教授)の各先生であり、何かとご配意くださったのは、橋本芳契(金沢大学助教授)、松野純孝(文部省)先生であります。
 歎異抄を読むについては、なんといっても真宗大谷派の学僧・妙音院了祥師の『歎異抄聞記』に導かれるところが大きく、また、曾我量深先生の『歎異抄聴記』からは、歎異抄に接する基本的な姿勢を教えられましたし、そして、安田理深先生からいただいた教導も忘れることのできないものであります。
 なおまた大谷大学の佐々木教悟、細川行信、舟橋一哉、北西弘、桜部建の諸先生からは、それぞれ教示や、ご注意をいただき、そして、片岡了氏からは、各巻における現代意訳・注釈について、ご意見をお聞かせいただきました。記して深く感謝いたします。
 それから「歎異抄に聞く会」の出席者も、その都度、多少盛衰がありましたが、第一巻に収録した参会者名簿のほかに、<プライバシー保護のため、11名の使命と年齢、職業を省略>の諸君などがあります。
 こうして歎異抄前半の師訓十章を読み終えて、『歎異抄の世界』第一部は完結しましたが、わたしたちは、この後も引き続き、後半の異義八章ならびに第十九章(後序)を拝読しました。これについても、いずれ遠からず時期をみて、書物にまとめて出版したいと思うことであります。




   伊 東 慧 明(いとう えみょう)

     1930年 三重県松阪市に生まれる
     1953年 大谷大学文学部卒業
     1962年 大谷大学大学院文学研究科 真宗学専攻 博士課程終業
     現 在 大谷大学助教授
     著 書 「阿弥陀経に聞く」(教育新潮社)


  
歎異抄の世界 5


    昭和43年5月10日 初版発行
                 ¥ 300
      著 者   伊 東 慧 明
      発行者   田 中 茂 夫
      印刷所   中村印刷株式会社

      発行所   文 栄 堂 書 店
          京都市中京区寺町通三条上ル
               振替京都2948
               電話(23)4712



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