あとがき

『歎異抄講読(第二章について)』細川巌師述 より


 細川先生の『歎異抄講述』は、さきに第一章を出版し、今回第二章を頂き、まことに有難うございます。この喜びを皆様と共にお分かちしたいと思います。

 第一章においては、浄土真宗の神髄ともいうべき、弥陀の本願について詳述せられ感銘を深めました。第二章においては信仰の姿勢に対して、きびしく叱咤せられた親鸞聖人の毅然たる態度に、我々は益々信頼感を深めた次第です。先生の御言葉をお借りしますと、信心の動揺は、信の火が小さいからだ、信の火が小さければ小さな風にも消されるが、大きな火は、風が吹けばますます燃え上る。これが不可傾動の信に通ずるものである。

 「このうえは、念仏をとりて信じたてまつらんとも、またすてんとも面々の御はからいなり」と申されましたが、この言葉は一見、非情に聞こえますが、これは表面だけで裏にひそむ大慈悲心をとおして、親鸞聖人の信仰の自由と信仰の主体性を感得せねばならないと思います。

 出版に際しまして、広島大学助教授松田正典先生、辻内佐喜氏、佐々木玄吾先生御夫妻及び、いずみ寮生諸君の御協力に厚く感謝致します。なお、『歎異抄講読(第二章について)』は、日野市中央公民館における、昭和五十年十一月から同五十一年十月まで九回の講義の集録であることを付記します。

 昭和五十二年八月

田中 佳一郎


「三章について」に進む / 目次に戻る

歎異抄講読(第二章について)
細川 巖 講述
昭和五十二年十月十日 印刷
昭和五十二年十月十日 発行
発行者 田中 佳一郎
印刷者 仁宮 孝雄
発行所 日野市教育を考える会
    事務局(佐々木玄吾)
    日野市日野七八〇一の三