住岡夜晃選集(第一巻) 『若い友のために』
             

 

W.孤独のさびしさから
人はしばしば岐路に立つ 孤影悄然として岐路に立つ
右には栄達と幸福と安逸とが待ち
左には苦難と貧困と波乱とが待つ
よし右の彼方には 地獄の火が待ち
左の彼方には 光明の天地が横たわろうとも
凡心はあくまで 右にゆけと命じ
たと脚下は火の海であろうとも 真理はあくまで左に行けと命ずる
右すべきか
左すべきか
右にいっても路は一つになり左に行っても道は一つになる
汝はいま右にゆくのか 左へ赴くのか
生か死かの岐路に立つ
汝の一生は この一歩のふみ出しによって決定される



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