病の日には 病になれ
病む日に病になりきることこそ 大精進である
病む時 健康体の真似をし
病を敵として対立し これを追いはらわんとすれば
病はますます我を苦しめるに至る
不平 煩悶 愚痴 無理 疑い等々は
いよいよ病の味方となって地獄を展開し来る
痛む手を抱いて 全身 痛む手に融合する時
痛む真唯中に 大寂定がある
噫 病床すでに道場
観じ来れば 人生のあらゆる生活相 全て
宗教ならざるなく 大道ならざるはない
衆禍 業障 全て転じて 絶対功徳に一味なる
これを大乗菩薩道という
しこうして 南無阿弥陀仏は その真実易行の大道である

住岡夜晃著『讃嘆の詩樹心社)』より