本願のこころ



 去年の続きを申し上げます。時間とってすみません。はい、去年は、「本願のこころ」というのをずっと頂きましたね。『聖典』の何ページでございましたか。「本願のこころ」というか、ございますねえ。「至心信楽欲生と」というところ。十一(和讃)の一八のね、五十八というところですね。ご和讃。いっしょに読んでいただきますか。
  至心信楽欲生と十方諸有を勧めてぞ不思議の誓願顕して真実報土の因とする
 ここをみなさんといっしょに頂いてまいりました。ちょっと後が残っておったんです。それをご説明申し上げましょう。
それでね、これがね、初めて<「これ渡して。」と資料を渡される。>歎異抄を読む資料。十三「悪人正機」。それ取って。訂正してください。それを初めに(一部聞き取れず)。去年ね、それを講義した。で、夜晃先生のね、ことばもちゃんと書いてあるんです。そこにね。それを元にしてね、お話した。(一部聞き取れず)たから。お念仏ちゅうのはほんとありがたい。お念仏ちゅうのはありがたいね。
 そいで、「至心信楽欲生と十方諸有を勧めてぞ不思議の誓願顕して真実報土の因とする」これは「報土真因」と言われますね。まあこれをずっといただいておったんですが、これは報土往生の真因を明かしておるわけであります。お正信偈のどこに当たるかというと、「至心信楽願為因」というのがありますね。正信偈を開けてご覧ください。一〇の二の三行目からですね。「本願名号正定業 至心信楽願為因 成等覚証大涅槃 必至滅度願成就」ですね。その中の「至心信楽の願を因となす」というわけですね。「本願の名号は正定の業である」と。「至心信楽の願を因となす」と。「等覚を成り大涅槃を証することは必至滅度の願成就すればなり」というのですね。で、次の和讃がすなわち「成等覚証大涅槃 必至滅度願成就」に当たるわけである。まあここで、本願の心、第十八願の選択本願なりとあって、このご和讃がですね。非常に重いご和讃であるということが分かるわけであります。
 で、この典拠は、もちろん十八願文ですね。十八願文の「設我得仏十方衆生 至心信楽欲生我国 乃至十念」行の念である。「乃至十念せん。」我が国に生まれんと思えばというのが「欲生我国」、「乃至十念せん。もし生まれずば正覚を取らじ。唯除五逆誹謗正法。」というわけですね。そこに典拠があるわけであります。
 毎年同じことを言いよってはいかんから、次のところへ行きましょう。まず「至心信楽欲生」は本願の三信である。本弘誓願に誓いたまえる、誓っておられるところの三信であります。至心信楽欲生ですね。衆生の往生の正因というものは、浄土真宗そのものである。その教義の根底、浄土真宗そのもの、その教義の根底というものを示しておるのでございます。


もくじに戻る / 次に進む